関西二期会の先日YOUTUBEにアップされた演奏会
タイトルが
かえってきたゴールデン・コンサート
となっているのですが、正直何がゴールデンなのかわかりません。
それでも、もしかしたら砂金が埋まっているかもしれないではないか!?
ということで、一通り聴いてみることにしました。(長いので途中ちょっと心が折れてます)
いや、正直日本の演奏会は、NHKニューイヤー以外あまり取り上げるつもりはないのですが、
最近日本人歌手についてももっと取り上げて欲しいというご意見を頂いたりするもので、あえて取り上げることにしましたが、その前に注意です。
毎度ながらかなり厳しい意見になっていると思いますので、そういう意見で気分を害する方はご覧頂かない方が良いかと思います。
ということで前置きが長くなってしまいましたがいってみましょう
関西二期会 かえってきたゴールデン・コンサート
5:36~
テノール:藤田大輔
アマチュア?
典型的な鼻腔共鳴信仰タイプの発声
この歌い方をすると、ある程度上の音は響いているように感じるのですが、絶対に中低音は鳴りません。
こんな発声するプロがまだいるというのが切ない。
9:44~
ソプラノ:津田基子
またまたアマチュア?
全部音が揺れていて、折角日本語を歌っているのに言葉の意味と音色がかみ合わない。
と言うか、音の入りを全部ズリ上げるの何とかして・・・
恐らくこの演奏なら、アマチュアの方の方がよっぽど魅力的な日本語で歌える人が沢山いる。
13:32~
ソプラノ:金岡伶奈
ここまで一音一音ノンレガートで歌う歌手も珍しい。
レガートで歌わないと、基本的には何語を歌おうと言葉は飛びません。
ただ技巧的なパッセージは中々巧い。典型的な日本人ソプラノといった感じ
17:00~
テノール:藤井零治
もはやクラシックの発声ですらない。
なんかシャウトして最後にBも出せないのにトスティのこの曲を選ぶ意味が正直わからない。
19:15~
ソプラノ:安部 俐希
歌ってる曲のテッシトゥーラ合ってるのかな?
スカスカの中低音とやたら横に平べったい”i”母音だけが目立ってしまって、
正直申し上げて、歌なしでピアノだけ聴いてた方が良い演奏
21:50~
ソプラノ:藤原道代
音大受験生か何かかな?
「初恋」なんて有名な曲歌っておいて、出だしの声がスカスカで聴こえないって!?
こういうコンサートに来てる人なら、最初の歌詞を脳内補完してくれるのかもしれないけど、そういう問題ではありません。
この方も、前に歌った方同様”い”が平べったくて硬いので浮いて聴こえる。
上手い下手以前に、日本語の曲歌って言葉の色合いが届いてこないってストレスでしかない。
25:20~
ソプラノ:西田真由子
ここにきてやっと聴ける歌唱。
英語で歌っても、日本語で歌ってもちゃんと歌詞が届くってだけで嬉しくなってしまう。
少々喉に引っかかり気味な声で、高音もあまり美しいとは言えませんが、それでも全体的に変なクセがなく、やっとプロの歌手が出てきたなという感じです。
28:52~
ソプラノ:安藝榮子
この人もクラシックの発声ではない。
ここまで声飛ばないならいっそマイク使ったら?
32:12~
ソプラノ:畑田弘美
いくら歌っている曲が曲とは言え、この人は流石にアマチュアですよね?
これ以上に言葉が出ない
35:45~
テノール:山崎正博
何だろう。徐々にコメントを一人一人書いていくことに虚しさを感じるようになってきました。
頼むからアマチュア合唱団員より上手い演奏をしてくれ。
意識高い系のアマチュア合唱団は、ソロでも試演会とかやってて、それなりに歌える人沢山いますからね。
こういうの見てると自分もテノール歌手と名乗ること許されるんじゃないかと勘違いしてしまう。
だから日本の演奏会を記事にしたくなかったんだ~。
39:25~
バリトン;細川勝
良い声持ってます。的な典型的な日本人バリトンの歌唱。
なんでこういう作った声を出すのだろう。
頼むからレガートで歌ってくれないものか・・・。
これでリゴレットなんかを歌っているらしいので、関西って恐ろしい。
42:57~
ソプラノ:尾崎 比佐子
大阪音大で教えていらっしゃるようで、流石に今までの方よりは声は出てますが、
なぜこうも声が揺れるのでしょうか・・・。
無駄に口を開け過ぎているのか、フォルテになると特にそれが顕著。
ただ響きのポイントとしては前までに歌った方とは比較にならない位良いので、ちゃんとディナーミクのコントロールができていて、
ただ声が小さいことがピアノの表現だと思っているのではないか?と思えるような歌唱とは別物で、そういう意味では流石に大学で教えていらっしゃる方はちゃんとした技術を身に着けているなと思いました。
46:45~
バリトン:米田哲二
関西二期会の理事長さんだそうです。
声はバリトンのそれなんですが、低音が全然響かないのは
胸の響きがなくて上半身だけで歌っているから。
結局のところ喉が上がっているので、ちょっと高い音域に行くともう苦しい。
バリトンでもGとかA位出せないとプロとは認められない。
51:00~
ソプラノ:末廣亜矢子
このコンサートの砂金はこの方。
末廣氏は中音域でもちゃんと胸の響きがあるのでスカスカな声にならず、
発音の面でも唇の使い方が上手く、発音する時に硬くならないのでレガートの質も良い。
ただ、”a”母音なんかは特に横に開き気味になることがあったりするのと、音程が上がりきらないことがあるのが気になりますが、
それでも、ひばりさんの曲を歌っても普通に上手い
55:50~
バリトン:西尾岳史
ドイツリートを学び、ミラノにも留学経験があるそうなのですが、
”u”母音が変。
留学してもこんな母音の質が揃わないのか?と驚く位ヤヴァイ。
習った先生が悪かったのかはわかりませんが、基礎から発声や発音やり直した方が良いと思います。
1:00:25~
ソプラノ:欅田真須子
日本語?
なぜここまで日本語が聞き取れない歌手が沢山いるのか理解できん。
レガートがないとフレージングも何もあったものではないので、ただふわふわしてて、それっぽい声で音程なぞってるだけにしか聴こえない
1:04:25~
ソプラノ:桐山由香
何人目かもうわからないけどアマチュアにしか聴こえない演奏。
1:07:25~
メゾソプラノ:児玉 祐子
太い声にも関わらず低音が響いていない不思議。
日本語試験のヒアリングとかで、歌詞をどれだけの受験者が聞き取れるかとかやってみたら良いと思う。
そしたら如何に難関な試験問題を出題してるかに気付くことができるだろうから。
1:11:30~
テノール:馬場清孝
時々良さげなポイントに引っかかることがあるので、良い先生に習えば化ける可能性はある気がするんですが、とにかく発音の処理が雑。
”c”が”k”のようになったり、語尾を押したり、音の切り方がブツ切りだったり、
とりあえず声出すことしか考えてないテノール馬鹿の典型みたいな歌唱なので、フレージングを勉強してくださいな。無駄な息使い過ぎるからそんなブレス短いんや。
1:14:35~
ソプラノ:西田 さとみ
なんとか言葉は聞き取れるけど、やっぱり色彩感が皆無
なぜひと昔前の作ったソプラノの声みたいな感じになるのだろう。
もっと普通に喋るように出せないものか
1:39:41~
テノール 小餅谷 哲男
間に重唱とか挟んだので飛ばしまして、
男声で一番良かったのはこの方ですね。
ベルゴンツィにも習ったことがあるようなので、流石に他の男声陣とは発声が根本的に違う。
全体的に声が重くて、息の量が多過ぎるような気がするので、個人的に声が好きかと聞かれれば、う~ん、という感じなのですが、発声技術という面では、一般的にいう息を回すというやつができているので、他の絶叫で高音を出している歌手とは違うということになります。
結局のところは、パッサッジョで喉が上がらないような身体の使い方ができているということでしょう。
声は決して美声ではないですが、フォームは素晴らしいと思います。
と言うことで、
何がゴールデンかはよくわかりませんでしたが、
小餅谷氏や末廣氏のような実力のある歌手もちゃんといることがわかって収穫でした。
とは言え、日本語を歌って何言ってるかわからない歌手が多過ぎるのは本当によろしくないので、せめてそこは何とかして欲しいものである。
そうでない限り、クラシックの声楽に全く興味ない人のオペラ歌手のもの真似をするような声のイメージは払拭できない。
これが、大きい声、高い声を出せることが声楽家にとって重要な要素であるかのように多くの聴衆を思いこませている要因なのかもしれない。
ここで改めて過去に書いた記事、関西の大プリマ 永井 和子女史についてをご覧頂けると、今回取り上げた歌手達の日本語の発音に対する感覚が鈍いかがご理解頂けるかと思います。
Yuya様
大変な記事を書いてくださりありがとうございます。関西の方は知らなかったのと上の世代の方々がどんな声かある意味とても分かりやすい言葉で書いてありありがたかったです。日本の現状というのも分かりますし…小餅谷さんや末廣さんは仰る通り声に一種の安定感があるのは素人目にも分かる位なので…二期会のコンサートですとかなり上の世代が出てる感じなので今度も苦痛かもしれませんが、若い世代で是非そういう評論も見てみたいです。
ふくろ〜様
コメントありがとうございます。
関西は私もあまり知ってる人いないので新鮮でした。
こういう演奏会では、時々他の出演者とは次元の違う歌唱をする方がいらっしゃるんですが、
そういう歌手が評価されているかと言われるとそうでないのが現状ですからね。
批判的なことを書くと快く思わない方もいらっしゃいますが、
私は貶めたい訳ではなく、本当に実力のある方を評価したいし、そういう方に敬意を表したいと思って記事を書いておりますので、
そういった部分が伝わったのであれば嬉しいです。
今後も機会があればこのような記事は書こうと思います。